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一般小说

  • 幸福的尾巴:我与猫咪的11则温暖物语
  • 涙猫〜私とネコの心あたたまる11の物语〜
  • 作者:TOブックス编集部/编集
  • 出版社代理人:TOブックス
  • 出版时间:2013年11月15日
  • 页数:272
  • 已售版权:
  • 版权联系人:julia@peonyliteraryagency.com
内容介绍

本书已有完整电子档,欢迎索取审阅!


前头彩页



能遇到你,真是太好了,谢谢你的一路陪伴。

11篇猫与人的相遇,让人感动不已的真情故事。

 

#镜中的魔法

某一个下雪的日子,我们开始一家颠沛流离四散各地的生活。据说,巫师是「魔法师」的意思对吧?为了让大家重新聚在一起生活,就让我来施魔法吧……

 

#婆婆与小杏

离开东京生活,开始新生活的大纪,十分不习惯,婆婆只好每天都鼓励着他,旁边还一直跟着爱猫小杏。随着时间的过去,超乎想像的奇迹开始了。

 

#请帮我问好

逐渐接近要与他分别的日子。从开始在这间公寓一起同居起,那只猫就常常旁若无人地自由进出。那个永远回不来的两人一猫的季节,尽管如此,回忆不管何时都是那样的美好。

 

#幸福的尾巴

母亲过世,工作也丢了,我仿佛失去生存下去的力气。在这样的面前,出现了一只不可思的小仔猫。从那一天起,我的人生开始重新来过。

 

#小鲔教我的事

「小鲔好像不行了」接到通知,我就马上搭上夜间吧是飞奔回去。在繁忙的每一天里,我似乎忘了曾经与他的「约定」。回想起过去,小鲔真的教了我不少事情……

 

#父亲的爱猫

抛弃了家族,经年不通音信的父亲过世了。身后只留下了一匹黑猫。奈绪子只好收养下来,然后关于父亲的回忆,一点一点的回想了起来。而那个不为自己所知的父亲身影渐渐清晰起来……

 

#想养猫的妻子

当妻子被宣告为癌症末期时,诚一捡了一只濒死的小猫回来。在所剩不多的日子里,妻子疼爱着猫仔。出发去了彼岸与被留下的人,最想说的都是:谢谢你。

 

#等待

光顾着工作辉夫,借着妻子入院的时候,开始照顾他们的巴尼拉。结果跟骄气十足的巴尼拉陷入苦战恶斗当中,不过这种小日常的幸福感也渐渐浮现。这世界上有些事情,如果不努力的话还真的搞不懂呀!

 

#妻子的身影

有一匹猫时常窥伺着妻子先过世的英一郎。讨厌猫的男人和自来猫之间,渐渐心意相通了起来。不久,英一郎就知道了,这是妻子临终前拜托猫儿的愿望……

 

#民宿猫小肥

幸子和一只大胖猫小肥一起经营破旧民宿。充满亡夫的思念的民宿,不可以就这么结束。拖着笨重身体的黑色大肥猫,想出了一个让人惊讶的起死回生法!

 

#猫田先生的公车

顽固老头兵市在公车上遇到了一头不可思议的猫。他叫这只猫「猫田先生」,这只猫对他相当的好气。很多都还陪伴在你身旁,守护着你,没有人是孤单一人的哟!猫田先生说。

 

内容试阅:


鏡の中の魔法
航太(♂)6歳
巫師(♂)黑灰虎紋貓MIX
 
「航太、忘れ物ない? もう取りに……戻れないんだからね」
庭の門にもたれて通りを見ている航太に、ママが言った。ママの声は聞こえているのに、航太はわざと返事をせずに空を見上げた。灰色の空のずっと高い場所から、ふわりふわりと雪が舞い降り始めていた。
パパとママは交互に、家の前に停めた車に荷物を積み込んでいる。最後にママが、航太のランドセルをリアシートに入れるのが、ちらりと見えた。
「ニャーン」
ウィザードが航太の足の間を8の字に歩きながら、じっと見上げているのもわかっていた。つやつやしたサバトラの毛並みに深い茶色の瞳。ウィザードはこの前一歳になったばかりの雄猫だ。航太が小学校に入学したお祝いに、パパがプレゼントしてくれた。春、夏、秋、そして冬休みに入った今日まで、航太はこの新しい家で毎日ウィザードと一緒だった。
初めてウィザードと会った日、すぐに大好きなテレビ番組のヒーローの名前をつけたのは航太だ。その名前のとおり、部屋の中でヒーローごっこをすると、ウィザードは机やタンスに飛び乗ったり、航太の上に飛び降りては素早く逃げ去ったりして、最高にかっこよく、楽しかった。ママはそんな航太とウィザードを笑って見ながら教えてくれた。
「『ウィザード』ってね、『魔法使い』っていう意味なのよ」
「魔法使い……」
航太はそっとつぶやいた。ママは荷物を積み終えて、携帯で電話をかけている。ときどき聞こえる話し声から、相手がおばあちゃんだとわかった。航太はひとつため息をついて、遊ぼうと鳴き続けるウィザードの瞳を見つめた。航太がしゃがむと、ウィザードは素早く膝に乗ってくる。航太はウィザードを抱き上げて、両手で力いっぱい抱きしめた。
「ねえウィザード、僕とママとパパとウィザードが、また一緒に暮らせるように、魔法をかけてよ……」
ウィザードの身体の温かさが、頬に伝わってくる。トクトクと心臓の音がする。毎日頬ずりしたこの温かい体も、航太を見つめる茶色の大きな瞳も、もう今日からは見られなくなってしまう。こうして抱きしめようとしても、これからは手の届かない場所へ、遠く離ればなれになってしまうのだ。堪えようとしても涙があふれて、航太は泣き声を押し殺して、ウィザードの体に顔をこすりつけた。
「航太」
パパの声がして、航太は慌てて涙を拭いた。
「雪……見てたのか……」
航太が黙ってうなずくと、パパも航太と並んで空を見上げた。パパが静かに言った。
「この分じゃ、おじいちゃんの家の方は、これから積もるかもしれないな」
本当は雪なんか見ていたわけじゃないのにと、航太は思った。
「航太……せっかく一年生になって、友だちもいっぱいできたのに……ごめんな」パパが航太の頭に手を置いた。航太の大好きな、大きな温かい手だ。ウィザードが航太の腕の中で、また「ニャーン」と鳴いた。
「航太、ウィザードのことは心配ないからな。パパ、ちゃーんと世話するから。それから、おじいちゃんの家では、おじいちゃんの言うことをよく聞いて、新しい学校でまた、いい友だちをたくさんつくるんだぞ……ほんとに、ごめんな、航太……」
航太はパパの言葉をただ黙って聞いていた。パパの声はとても穏やかで優しかった。だけど航太はパパがもう、すっかり元気をなくして、なんだかいろんなことをあきらめてしまっているような気がして、悲しかった。
これからママとふたりで行くおじいちゃんの家、新しい学校……けれどそこにはウィザードは連れて行けない。それに、航太が今、パパから聞きたい言葉は、おじいちゃんの家や新しい学校のことなんかじゃない。
「航太、早く乗って」
ママが車から航太を呼んだ。航太は黙ってパパを見た。パパもなにも言わずに両手を差し出して、航太からウィザードを抱き取った。ウィザードがちょっと不満そうに、かすれたような小さな声で鳴く。
航太はもう一度よくウィザードを見たかったけれど、涙でぐしゃぐしゃの顔をパパに見られたくなくて、振り向くことができなかった。そのまままっすぐ車まで走る。
「航太!」
パパがもう一度呼んだ。でもやっぱり航太はパパを振り向かなかった。パパはきっと悲しい顔をしているに違いない。航太はそんなパパを、もう見たくはなかったのだ。航太の好きなパパは、そんなパパじゃないって、どうしてパパはわかってくれないんだろう。
車のドアを閉める瞬間、ウィザードの航太を呼ぶような長い鳴き声が聞こえた気がした。今まで聞いたことのないくらい、悲しそうな声だった。たまらなくなって車の中からパパとウィザードを振り返ろうとしたけれど、航太はあわてて下を向いた。いつも遊んでいる友だちの翔ちゃんや勇樹が、すぐそこまで誘いに来ているのが見えたのだ。友だちにもこの家から引っ越してしまうことは言っていなかったし、泣いているのを見られたくなかった。友だちの顔を見たり話したりしたら、ほんとに声を上げて泣いてしまう気がした。
車がゆっくりと動き出して、顔を上げることができないまま、航太はそっと目だけでふたりを見た。航太に気づかないふたりは、いつものように笑ってふざけている。
胸がいっぱいになって急いで家を振り返ったけれど、車はすぐに通りを曲がって、もう屋根も見えなくなっていた。航太はただ、心の中で祈るしかなかった。
「ウィザード、魔法でパパを元気にして。ウィザード、またみんなで暮らせるように、魔法をかけて……」(未完)